松本人志監督・主演映画 『しんぼる』
この作品を理解できる人は、ある意味すごい。と思ってしまう作品それが「しんぼる」。

「しんぼる」はダウンタウンの松本人志さんの2作目の映画。この作品の後、3作目として「さや侍」を製作している。

1作目は正直、「あぁ、これが松本人志の頭の中か。」と思ってしまう人も少なくないのではないかと思う。よく言われる、宗教的であり哲学的。しかし一体何を伝えたいのかが、凡人にはわからない。

そんな感じに陥ってしまう作品。

映画製作というもののは難しいもののようで、1作目でそれなりの評価を得てしまうと、監督の内面を出す作品は酷評される傾向にあるように感じる。

実際、「しんぼる」は見る側にとって難しい作品だったと感じる人は少なくないのではないだろうか。

人とは悩むものであり、他人に影響され影響を及ぼすもの。なのですが、自分の考え方を上手に表現して他人に理解してもらうのは実はとても難しいものなのだと感じさせられる作品だと思う。

さらに、お笑い芸人であるが故に絡めなくてはならないシンプルな笑いのポイントが、他の表現が難解すぎて(深読みをしすぎて。)シンプルな笑いへのプロセスまで謎を呼んでしまっている気がする。

映画をつくる。ということに憧れを持つ芸能人は多い。

これはお笑い芸人だけに限らず、俳優やその他のアーティストもしかりである。

しかし、成功と呼べる作品を生み出せる人物はやはり映画製作の畑で育った人間でなければ難しいのか?と感じられた作品です。

大喜利に興味がある、面白いと感じる人には、劇中に次々と出てくるシンボルを観て想像をふくらませることができるかもしれませんが、映画に結末を求めている人には理解できない作品でもあります。

映画を鑑賞する人の多くが「納得できる結末」を求める傾向にあると思います。

しかし、この「しんぼる」のように伝えたいことが抽象的だと、評価がかなり別れます。

総合的に評価の難しい作品、というのがこの「しんぼる」の評価なのではないでしょうか。